みどりのゆび 多摩丘陵フットパス・ウォーク
 


【フットパス専門家講座:多摩丘陵の植物】 
〜横須賀の猿島の小ガクアジサイとジャカランタ〜
【講師:山田隆彦(日本植物友の会副会長)】 

(2014年6月15日(土)10:00〜14:30)

 

【内 容】明治時代から陸軍の要塞として利用され、その後アメリカ軍が使用したため、立ち入り禁止となっていました。それだけに豊な自然が残っており、ヤブニッケイ、タブノキなど海岸林を観察できます。また、イヌビワの花粉媒介をしているイヌビワコバチの成虫に会えるかも知れません。帰りに神奈川医科歯科大学の構内で、ジャカランダを観察いたします。
【コース】京浜急行「横須賀中央」駅10時(10時30分頃の船に乗船予定)横須賀中央駅---三笠公園→(船)→猿島桟橋---猿島公園内植物観察---猿島桟橋 →(船)---三笠公園→神奈川歯科大学(ジャカランダ)→横須賀中央駅(解散14:30)
・参加者:12名
・天気:晴れ

 

三笠公園横の桟橋から船で10分(1.7km)の猿島を目指す。猿島は黒々とした色の森、タブノキの原生林である。 三笠公園には日本海海戦でバルチック艦隊に勝利した
旗艦「三笠」が保存されている。
 
船上の本日の山田隆彦講師(日本植物友の会副会長)と参加のみなさま。          猿島の桟橋に到着、下船。船は4月から運航して
いる新造船「シーフレンドZero」号、200人乗り。
同じ船で小さなフットパス仲間(保育園)も島めぐり。あちらこちらで再開、交流しました。 早速、海岸の砂地に生える植生の山田講師のお話
が始まる。黄色い花(萼)のツルナ、コマツヨイグサなど。
 
猿島の低地の代表的植物、アシタバ、ハマウド、同じせり科でよく似ている。茎から黄色い汁が出るのがアシタバで食用になると。 散策路が整備され、標高40mの山、崖の道も歩
きやすい。小さいフットパス仲間も宝さがしゲーム
を行いながら歩き回っていた。
 
猿島の高地は母岩の上の腐葉土層があり、タブノキ、ヤブツバキなどの常緑樹が生い茂り原生林のジャングルを形成している。 これは「アカメガシワ」。パイオニア植物で森林が
切りひらかれ明るくなると一気に繁殖する陽樹。
時がたち、陰樹に負け、再び、森林へもどると
 
ヤナギイチゴ。海岸付近に生息。ヤナギのような葉に橙黄色のキイチゴに似た実を。甘くて食べられた。 幕末、明治に砲台を設けたが実戦無く軍事拠点と
して放棄。第2次世界大戦激化に伴い本土防空用
として高射砲が配備、横須賀空襲時(S20.7.27)に
実戦使用、終戦とともに解体、台座跡だけが残る。
     
海岸へ降りる。前方の半島は昨年フットパスで歩いた防衛大学校のある小原台。 今日は天気も良く、磯遊びにおおぜいの人が訪れ
ていた。
 
磯の海岸にはギシギシ、ハマウド、ハマボウフウなどが見られた。 再び海岸を昇る。
           
暖地の海岸近くではガクアジサイが満開であった。 日蓮洞窟へ降り、この磯で昼食。この洞窟からは
弥生時代の貝塚や古墳時代の墳墓が発掘。昨年
歩いた剣崎の毘沙門天洞窟と同じようだ。平坦部
では縄文早期、中期の土器片や石片が出土。
  
猿島の磯はきれいで、海の生物も豊富。 昼食後、再開。木漏れ日の樹木下は風があり涼し
かった。
  
要塞入口へ。アーチのコンクリート面の上にマメヅタが見られる。 トンネル手前の石積み空間は、湿度も高くなって
いるため、シダ類の気根が空中を覆っている独特
の風景である。
  
シダ植物の生育の特徴のお話。 葉の裏面の胞子が配列している。胞子は発芽する
と精子と卵子が作られ、雨水などの水の中を泳ぎ
だし、卵子に泳ぎ着き、受精する。
  
このハート形が受精し発芽したもの。 にわかシダ植物学者になり受精卵から発芽したハ
ート探しをする参加者の方々。
  
トンネルはアーチ状のフランス積み煉瓦造り隧道、 煉瓦積み道路トンネルでは、日本一古い(明治14年〜17年建設)。 トンネルは幅4m、高さ4.3m、長さ90m。内部は大
変複雑で、要塞の司令所、観測所、弾薬本庫、
兵舎、倉庫、などがあったと考えられる。
  
トンネルを出ると(桟橋側)石積みの切通へ。まるで城の石垣のように見事だ。 入口がアーチ状のフランス式煉瓦積み。
  
素掘り部分では地層(浦郷層)が露出していた。
本日の参加者(11名)と記念撮影。
             
下船後、三笠公園通りにある神奈川歯科大学構内の「ジャカランタ」を見に行く。アルゼンチン原産、街路樹や庭園樹として、熱帯地方では世界で最も広く植えられている樹木。 紫色の花、葉はオジギソウに似た小葉。別名「キ
リモドキ」。
 
猿島は東京湾唯一の自然島、東京ドームの4倍の広さ。幕末から終戦まで民間人立ち入り禁止の要塞島、そのため自然林が形成され一見の価値がある。植物は300種を超えるが三浦半島と同じ、島固有のものはない。低地にはツルナ、ハマウド、アシタバ、ギシギシ、ハマボウフウなど見られた。アズマネザサが生い茂り、高地にはヤマツバキ、タブノキの常緑樹がジャングルを形成している。一部海岸付近で、ガクアジサイが満開であった。森床や石垣にはシダ類が多く生育していた。要塞としては幕末の台場、明治の砲台、そして昭和に防空としての高角砲台が形成された。明治に造られたフランス積レンガの兵舎、弾薬庫、トンネルや切通などが探索のもう一つの見どころだった。帰りにジャカランタの樹木を見て解散した(14:30)。(田邊博仁)
主  催:NPO法人「みどりのゆび」
講  師:山田隆彦(日本植物友の会副会長)
事務局:神谷、田邊
 
トップページへ
みどりのゆびについて 理事長挨拶 活動の記録 更新履歴 会員募集 個人情報保護ポリシー Webサイト作成ポリシー リンク基準 サイトマップ HOME

Copyright(C) 2012 Midorinoyubi All right reserved.