[ 講師:浅黄美彦]
観光地、門前町、漁師町、遠足の地など様々な顔を持つ江ノ島を楽しむ
10月22日(土) 天気:曇参加者:10名
小田急江ノ島線「片瀬江ノ島」駅前に午前10時集合。2020年に改築されたばかりの駅舎は、1929年の開業当初に建てた竜宮城風の外観を継承して旅心をくすぐります、早速駅舎の前で記念撮影(集合場所がいいとワクワク感が高まるのかもしれません)
小田急片瀬江ノ島駅前にて記念撮影
<片瀬江ノ島駅からカトリック片瀬教会> 和風の教会とそれに至る道(パス)。
最初に訪ねるのは、「カトリック片瀬教会」。片瀬江ノ島駅から北へ歩くと旧片瀬村の山本家による昭和初期の別荘分譲地。そこを5分ほど歩くと、「境川」の畔に和風の聖堂があります。
カトリック片瀬教会外観
教会の創始者・元海軍少将山本信次郎氏が、1939年日中戦争下に建てた教会です。格天井とフレスコ画が併存している不思議な内部空間に魅せられます。
教会の内部
川沿いの心地よい遊歩道を河口まで下ります。町田市相原の源流から江ノ島に流れ込む「境川」の流路を体感したような気分です。
<江ノ島弁天橋から湘南港ヨットハウス> 波打つ屋根の現代建築を訪ねる。
「江ノ島弁天橋」を渡るといよいよ「江ノ島」。
青銅の鳥居をくぐり、まっすぐに参道を進めば王道の江ノ島観光となります。今回は少し寄り道して島の北端にあるヨットハーバーを訪ねてみました。2014年に改築した「湘南港ヨットハウス」は、波打つようなシンボリックな屋根をもつ現代建築です。東京オリンピックのセーリング競技の拠点でもありました。内と外が曖昧な2階のスペースからカッコイイ階段を上ると、津波避難施設を兼ねた屋上でした。
中津宮から見た湘南港ヨットハウス
湘南港ヨットハウスの内部
<湘南港ヨットハウスから集落の道> 集落の細道と路地を歩く。
ヨットハーバーの真っ白い透明感のある現代建築から、島の北側の崖下にある集落の細道を参道に向かって歩く。漁村の集落構造が残る島の日常生活を感じることができる道を歩くのも悪くない。細道から崖に向かって延びる路地は迷路のようでした。
<弁財天仲見世通りから江ノ島神社、サムエル・コッキング苑> 観光地を歩く。
さてさて、片瀬江ノ島駅から寄り道を重ね、「弁財天仲見世通り」の入口「青銅の鳥居」にたどり着く。参道の店で求めた女夫(めおと)饅頭を食べ歩きしながら、さらりと王道の観光地を流し、脇にある伊東忠太設計の大正期に建てられた「児玉神社」を見る予定でしたが、残念ながら工事中で断念。
気を取り直して坂道を上り「サムエル・コッキング苑」を目指します。
島のてっぺん、本来ならば神聖な場所のような気もしますが、そこになにゆえ洋風庭園があるのかという素朴な疑問に、「明治初期、グラバーのような武器商人が巨万の富を得て、神仏習合の解体でゆれる神社から土地を取得し、庭園付きの大別荘をつくる」という容赦のない解説が資料館の映像で答えてくれました。
江ノ島集落の道
シーキャンドル(展望台)からの眺望境川河口あたり
昼食はサムエル・コッキング苑内でのお弁当組と、海の見える「海花亭」で名物のシラスかき揚げ丼のグループに分かれて。
午後は「奥津宮」でお参りし、「稚児が淵」に下りる石段からの富士山の眺めを堪能しつつ、江ノ島の最深部「岩屋」へ。初めての方、小学生の遠足以来半世紀ぶりの方などさまざまでしたが、結構楽しんでいただけたようでした。フットパスコースに観光地の王道の場所を入れるのも悪くないという感想もいただき、解散としました。
(文と写真:浅黄美彦)
見晴亭からの富士山 江ノ島の岩屋
グルッと江ノ島を巡って
小田急線「片瀬江ノ島」駅を出ると,駅前を「境川」が流れています。この境川は町田市相原辺りに源流があると説明があり、「あの町田市と相模原市の境を流れている川が……」と、元町田市民の私は見慣れた景色を思い浮かべ、江ノ島を身近に感じたことでした。
午前中は主に建物(木造和風造りの教会や「湘南港ヨットハウス」など)を、午後は観光地としての江ノ島(江島神社群や「サムエル・コッキング苑」、展望台など)を巡りました。
コッキング苑では明治の頃の異国風の花壇遺稿が保存され、また源頼朝が寄進したと伝わる鳥居のある3つの「江島神社群」の1つが放送中の大河ドラマにも関連するからか、若い人から家族連れまで予想以上の賑わいでした。
当日は明るい湘南のイメージと違って、日が差さず海風が強い一日でした。そんな中で賑やかで大勢が集まっている場所が。なんとそれまで気づかなかったのですが、「富士山」が霞んで見えるのです。やはり富士山って特別ですね! この富士山に見守られながら、潮風が香る江の島をグル
ッと楽しみました。
(文:新納清子)