農と緑の管理
2024.06.08
農と緑の管理
大雪による倒木やタケノコの豊作‥‥宿緑地の管理は大いなる自然への対峙
町田市のふるさとの森は、市内の美しい緑地景観・歴史的環境の保護や、貴重な動植物が生育する自然環境の保全を目的として町田市が指定した緑地です。 私たちが管理する鎌倉街道に面した「鎌倉街道小野路宿緑地」は、本来は市がやるべきふるさとの森の保全を市民団体として協力支援し、保全を維持し、地形、植生、ゴミなどの管理を行っています。除草や清掃も大切な仕事ですが、みんなで緑を楽しみながら活動しております。
今年は、2月上旬に大雪に見舞われました。特に小野路では市街地と比べると大変な雪の量でした。竹林のシラカシの大木が雪の重みに耐えきれず、倒木しました。布田道は倒木による通行止めが数カ所、私たちの活動広場も全面にわたり、倒木で塞がれました。町田市公園緑地課に被害状況を報告するとともに、倒木撤去を依頼しました。
町田全域で倒木被害が多発していること、ナラ枯れが発生して通行に危険な個所から対応しているとのことでなかなか順番が回ってきませんでしたが、何とか3月末までに対応していただきました。
4月は、竹林管理のご褒美であるタケノコが発生する時期です。タケノコは豊作(表年)と凶作(裏年)が隔年にあらわれ、2024年は表年にあたります。タケノコの生育調査、タケノコ収穫まつり、穂先タケノコ収穫とイベントが続きました。
雨後のタケノコの言葉の通り、一週間でビックリするほどのタケノコが次々に生えるのは感動ものでした。
豊作がうれしいタケノコ祭り(写真:伊藤)
5月以降は、活動場所を竹林から緑地に移し、草刈りを進めて行きました。緑・グリーンは、安らぎや落ち着き、平和などの意味を持っているようです。 リラックス効果や疲労回復効果などがあると言われており、私たちの心を癒やしてくれています。気の置けない仲間と気持ちの良い汗をかき、みんなで緑を楽しみながら活動する楽しさは、日常の生活では得られない素敵な時間です。
お試し参加も大歓迎です。是非ご一緒に活動しませんか?
(文と写真:伊藤 右学)
タケノコ祭りで思うこと
今年の竹林はタケノコが豊作でした。皆の手で次々とタケノコが掘りあげられ、いつものように具たっぷりのタケノコ汁が好評でした。焚き火ではタケノコや松ボックリの炭も焼きました。一年に一度の楽しい一日です。
この日は皆張り切っていますが、寂しさも少し感じます。なぜなら普段フットパスで会う人たちの参加が少ないからです。参加者がもっと増えればもっと楽しい一日になりそうです。
今年はタケノコ祭りの翌週に初めて「穂先タケノコ」を収穫しました。2メートル以上に伸びた若竹の先端1メートルを切ると、これが「穂先タケノコ」です。一般のタケノコより精神安定作用のあるアミノ酪酸(ギャバ)の含有率が高いとの事。若竹をサクサクと切り倒す時は実に爽快です。
「竹水」も初めて採取しました。竹水は穂先タケノコを切った1~2週間後に竹の節と節の間に溜まります。竹を切ると確かに「竹水」がありました。これは飲料や化粧水に利用されているそうで、皆でペタペタと肌につけるとしっとりスベスベになった気がしました。不思議な事にカラになった竹の筒にゆらめきながら竹水が湧き出てきて、神秘的な現象に目が離せませんでした。
こんな事を多くの人と一緒に体験出来れば、より楽しいタケノコ祭りになりそうです。
(文:鈴木 由美子)
「穂先タケノコ」と「竹水」(写真:横山)
父の休耕田を再生した恵泉女学園大学の田植えに参加して
6月8日(土)天気:晴参加者:2名
朝から抜けるような青空に涼しい風が吹き、絶好の田植え日和だった。「別所」バス停より布田道を進むと「みどりのゆび」の宿緑地、その右手奥に田んぼがあります。当日は学園関係者、地域の農家の方、ボランティア市民の方と共に初参加の方も。
すでにうるち米、もち米用の2枚の田んぼに、今年はたっぷり水が張られており、苗床では苗取りが開始されていました。先生から作業手順の説明後、苗取り組(ボランティア)と田植え組(学生)に別れ、田んぼに散らばる。「みどりのゆび」から参加したNさんと共に”抜き足差し足”で苗床に。冷たい水が心地良い。尻餅をつかないよう気をつけながら中腰で苗を取り、藁で束ねる作業は腰が痛い。隣の田んぼでは先生と学生たちが横一列になって、束ねた苗を片手に田植えが開始されていました。多勢なので早い。苗取りが追いつかない。初参加の学生も多く、先生や先輩たちから叱咤激励の声が飛び交うたびに谷戸に笑い声が響き渡ります。周りの私たちもつられて大爆笑。 午前、午後で2枚の田んぼには早苗が美しく列を成していました。先生から「来年もやりますよー」と元気な声が。
2011年に恵泉女学園大学により、父の休耕田が田んぼとして再生されることになりました。畑作授業は承知していましたが、稲作にも、とその熱意に感動した記憶があります。
当時93歳の父は田んぼの再生を何より喜び、1年間、苗床作りから始まり、田植え、下草取り、そして稲刈りと、先生や学生たちと共にありました。後に病床で「あの1年間は嬉しかったなあ」と振り返り、95歳で永眠いたしました。私も田んぼに行けば父に会えるような思いで毎年出かけています。秋の稲刈り、今から楽しみにしています。
(文:松尾 加代子)
広瀬儀平(当時93歳)さん、ご指導による休耕田田植え
(写真(2011.6):田邊)
好ましい里山景観を維持するために
旧小野路宿に隣接する谷戸中で、布田道に接する当会管理地では、ハイカーの往来も多いため、好ましい里山景観を維持していきたい。
①緑地の草刈り
気温が低い冬場は、草枯れにより草刈りは不要。しかし、5~6月頃から雑草は勢い良く伸び始めて、放置すれば緑地を埋め尽くしてしまう。
9~10月頃に気温低下で雑草の生長が止まる迄は、3週間程度の間隔で刈り続けるのが望ましい。
夏場高温下で草刈りをするのは辛いが、自然には夏休みがなく、手を抜けば雑草は容赦なく繁茂して、秋口には無数の種子を拡散する。
会作業日では足りず、人目に付き易い物置と布田道の周辺は、適宜個人的に草刈りをしている。
②山地の整備
緑地の後背山地は、多数の倒木や笹藪で踏み跡すら見えない状態にある。
雑草が弱る冬場、下草刈りのうえ倒壊危険性が高い枯木は伐採しておきたい。しかし、冬場は竹林整備に傾注するため、必要な労力が割けない。
昨冬は個人的に笹を刈り、緑地に倒れそうな枯木へのアクセス路を開き準備しておいたが、結局は伐採出来なかった。
③作業勧誘の看板
里山に魅力がないのか、作業がしんどいからか、会員に参加要請しても特定の方以外は集まらない。
状況打破の試みとして、2022年秋からボランティア募集看板を、会員有志3名で緑地物置前に掲示している。この看板で昨秋地元の方が来てくれた。
会員高齢化が進むなか、体力が求められる里山作業を継承するため、比較的若い方々に先ずはお試し参加してもらいたい。HPやSNS掲示を検討し、現地募集看板も継続が望まれる。
(文:合田 英興)
ボランティア募集看板(左)(写真:伊藤)
大雪による倒木やタケノコの豊作‥‥宿緑地の管理は大いなる自然への対峙
町田市のふるさとの森は、市内の美しい緑地景観・歴史的環境の保護や、貴重な動植物が生育する自然環境の保全を目的として町田市が指定した緑地です。 私たちが管理する鎌倉街道に面した「鎌倉街道小野路宿緑地」は、本来は市がやるべきふるさとの森の保全を市民団体として協力支援し、保全を維持し、地形、植生、ゴミなどの管理を行っています。除草や清掃も大切な仕事ですが、みんなで緑を楽しみながら活動しております。
今年は、2月上旬に大雪に見舞われました。特に小野路では市街地と比べると大変な雪の量でした。竹林のシラカシの大木が雪の重みに耐えきれず、倒木しました。布田道は倒木による通行止めが数カ所、私たちの活動広場も全面にわたり、倒木で塞がれました。町田市公園緑地課に被害状況を報告するとともに、倒木撤去を依頼しました。
町田全域で倒木被害が多発していること、ナラ枯れが発生して通行に危険な個所から対応しているとのことでなかなか順番が回ってきませんでしたが、何とか3月末までに対応していただきました。
4月は、竹林管理のご褒美であるタケノコが発生する時期です。タケノコは豊作(表年)と凶作(裏年)が隔年にあらわれ、2024年は表年にあたります。タケノコの生育調査、タケノコ収穫まつり、穂先タケノコ収穫とイベントが続きました。
雨後のタケノコの言葉の通り、一週間でビックリするほどのタケノコが次々に生えるのは感動ものでした。
豊作がうれしいタケノコ祭り(写真:伊藤)
5月以降は、活動場所を竹林から緑地に移し、草刈りを進めて行きました。緑・グリーンは、安らぎや落ち着き、平和などの意味を持っているようです。 リラックス効果や疲労回復効果などがあると言われており、私たちの心を癒やしてくれています。気の置けない仲間と気持ちの良い汗をかき、みんなで緑を楽しみながら活動する楽しさは、日常の生活では得られない素敵な時間です。
お試し参加も大歓迎です。是非ご一緒に活動しませんか?
(文と写真:伊藤 右学)
タケノコ祭りで思うこと
今年の竹林はタケノコが豊作でした。皆の手で次々とタケノコが掘りあげられ、いつものように具たっぷりのタケノコ汁が好評でした。焚き火ではタケノコや松ボックリの炭も焼きました。一年に一度の楽しい一日です。
この日は皆張り切っていますが、寂しさも少し感じます。なぜなら普段フットパスで会う人たちの参加が少ないからです。参加者がもっと増えればもっと楽しい一日になりそうです。
今年はタケノコ祭りの翌週に初めて「穂先タケノコ」を収穫しました。2メートル以上に伸びた若竹の先端1メートルを切ると、これが「穂先タケノコ」です。一般のタケノコより精神安定作用のあるアミノ酪酸(ギャバ)の含有率が高いとの事。若竹をサクサクと切り倒す時は実に爽快です。
「竹水」も初めて採取しました。竹水は穂先タケノコを切った1~2週間後に竹の節と節の間に溜まります。竹を切ると確かに「竹水」がありました。これは飲料や化粧水に利用されているそうで、皆でペタペタと肌につけるとしっとりスベスベになった気がしました。不思議な事にカラになった竹の筒にゆらめきながら竹水が湧き出てきて、神秘的な現象に目が離せませんでした。
こんな事を多くの人と一緒に体験出来れば、より楽しいタケノコ祭りになりそうです。
(文:鈴木 由美子)
「穂先タケノコ」と「竹水」(写真:横山)
父の休耕田を再生した恵泉女学園大学の田植えに参加して
6月8日(土)天気:晴参加者:2名
朝から抜けるような青空に涼しい風が吹き、絶好の田植え日和だった。「別所」バス停より布田道を進むと「みどりのゆび」の宿緑地、その右手奥に田んぼがあります。当日は学園関係者、地域の農家の方、ボランティア市民の方と共に初参加の方も。
すでにうるち米、もち米用の2枚の田んぼに、今年はたっぷり水が張られており、苗床では苗取りが開始されていました。先生から作業手順の説明後、苗取り組(ボランティア)と田植え組(学生)に別れ、田んぼに散らばる。「みどりのゆび」から参加したNさんと共に”抜き足差し足”で苗床に。冷たい水が心地良い。尻餅をつかないよう気をつけながら中腰で苗を取り、藁で束ねる作業は腰が痛い。隣の田んぼでは先生と学生たちが横一列になって、束ねた苗を片手に田植えが開始されていました。多勢なので早い。苗取りが追いつかない。初参加の学生も多く、先生や先輩たちから叱咤激励の声が飛び交うたびに谷戸に笑い声が響き渡ります。周りの私たちもつられて大爆笑。 午前、午後で2枚の田んぼには早苗が美しく列を成していました。先生から「来年もやりますよー」と元気な声が。
2011年に恵泉女学園大学により、父の休耕田が田んぼとして再生されることになりました。畑作授業は承知していましたが、稲作にも、とその熱意に感動した記憶があります。
当時93歳の父は田んぼの再生を何より喜び、1年間、苗床作りから始まり、田植え、下草取り、そして稲刈りと、先生や学生たちと共にありました。後に病床で「あの1年間は嬉しかったなあ」と振り返り、95歳で永眠いたしました。私も田んぼに行けば父に会えるような思いで毎年出かけています。秋の稲刈り、今から楽しみにしています。
(文:松尾 加代子)
広瀬儀平(当時93歳)さん、ご指導による休耕田田植え
(写真(2011.6):田邊)
好ましい里山景観を維持するために
旧小野路宿に隣接する谷戸中で、布田道に接する当会管理地では、ハイカーの往来も多いため、好ましい里山景観を維持していきたい。
①緑地の草刈り
気温が低い冬場は、草枯れにより草刈りは不要。しかし、5~6月頃から雑草は勢い良く伸び始めて、放置すれば緑地を埋め尽くしてしまう。
9~10月頃に気温低下で雑草の生長が止まる迄は、3週間程度の間隔で刈り続けるのが望ましい。
夏場高温下で草刈りをするのは辛いが、自然には夏休みがなく、手を抜けば雑草は容赦なく繁茂して、秋口には無数の種子を拡散する。
会作業日では足りず、人目に付き易い物置と布田道の周辺は、適宜個人的に草刈りをしている。
②山地の整備
緑地の後背山地は、多数の倒木や笹藪で踏み跡すら見えない状態にある。
雑草が弱る冬場、下草刈りのうえ倒壊危険性が高い枯木は伐採しておきたい。しかし、冬場は竹林整備に傾注するため、必要な労力が割けない。
昨冬は個人的に笹を刈り、緑地に倒れそうな枯木へのアクセス路を開き準備しておいたが、結局は伐採出来なかった。
③作業勧誘の看板
里山に魅力がないのか、作業がしんどいからか、会員に参加要請しても特定の方以外は集まらない。
状況打破の試みとして、2022年秋からボランティア募集看板を、会員有志3名で緑地物置前に掲示している。この看板で昨秋地元の方が来てくれた。
会員高齢化が進むなか、体力が求められる里山作業を継承するため、比較的若い方々に先ずはお試し参加してもらいたい。HPやSNS掲示を検討し、現地募集看板も継続が望まれる。
(文:合田 英興)
ボランティア募集看板(左)(写真:伊藤)