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他のまちのフットパスをみてみよう 江戸下町情緒が残る「谷根千」の“今“を歩く
2024.11.07
[ 講師:田邊 博仁 ]

江戸の町割りを残す根津と、
古民家リノベーションの谷中の今を歩く



11 月7日(土) 天気:快晴 参加者:13名

 根津は、根津神社の門前町として栄え、庶民のまちとして賑わってきました。江戸時代の町割りを継承している路地、木造の建物や軒先などに溢れる緑など、むかしの古き良き佇まいを残し、懐かしさを感じさせます。歩いていてホッとする空間です。


元藍染川(区境)の路地


路地のゲストハウス


古民家の「花木屋」


三軒長屋の古民家店舗

 また、根津には古民家を改築した建物が多い。大正初期の木造三階建て建物を改築した「はん亭」、明治の古いレンガ造りの蔵を改装した「うどん釜竹」、また、緑に囲まれた路地のゲストハウス、「花木屋」や三軒長屋の古民家店舗、廃業した銭湯をリニューアルした「SENTO」などを見て歩きました。


古い蔵を保存「うどん釜竹」


銭湯を再整備した「SENTO」

 次に、不忍通りを渡り、大正8年に建てられ、関東大震災でも東京大空襲でも焼けなかった根津教会、根津遊郭の跡地のモニュメントを見て、根津神社へ向かいました。
 根津神社の創建は1706年。当時の建物は現存して、修復作業が行われた極彩色の美しい楼門などは見事です。青空には大イチョウが鮮やかでした。


日本基督教団根津教会


極彩色の桜門


境内の鮮やかなイチョウの木


根津神社の桜門をバックに、本日の参加者のみなさま

再び不忍通りを渡り、へび道、よみせ通りをぶらぶら歩き、谷中ぎんざ界隈で昼食です。


谷中ぎんざ(写真:宇佐美)

 午後は、築約100年の日本家屋をリノベーションした建物(「錻力屋」、「銅菊」、「小倉屋質店」)、江戸時代の「観音寺築地塀」や「絵馬堂」、「のんびりや」、古書「鮫の歯」などを見ながら、谷中霊園へ。参道の明治からの老舗花屋「花重」に「花重谷中茶屋」がオープン(2023年)していました。


絵馬堂(休業中)


古書「鮫の歯」

 そして、昭和13年に建てられた三軒屋を再生した「上野桜木あたり」、明治23年創業の「谷中岡埜栄仙」、「旧吉田谷酒店」を見て上野へ向かう。2025年に創建400年を迎える「寛永寺」では、創建記念として「根本中堂」の天井に初めて天井絵が奉納されます。境内の徳川歴代将軍15人のうち6人が眠る「徳川家霊廟」を外から見学しました。


寛永寺根本中堂


国際子ども図書館へ向かう

 最後に、明治時代に「帝国図書館」として建てられ、2002年に「国際子ども図書館」として全面開館された建物を見学しました。明治・昭和・平成の三つの時代に造られた建物が一体となり、貴重な建築遺産を保存利用しながら、新しい機能と空間を合わせもつ図書館として再生されました。この建物は現在、東京都の「歴史的建造物」に選定されています。明治時代のシャンデリア、元貴賓室の寄せ木細工の床や天井の鏝絵(こてえ)や柱など、帝国図書館として創建された当時を知ることができました。


国際子ども図書館

(文と写真: 田邊 博仁)


昔ながらの路地や建物が残り、中身は”今“という粋なしゃれっ気



 昔ながらの雰囲気を残した谷中・根津・千駄木・上野界隈を見て歩きました。特に印象に残ったのは、戦火や地震の被害を免れた通りにあるいわゆる「レトロ建物」でした。その多くが、今でもさまざまな方の努力で大切に残り、リノベーションされ、現役として生まれ変わっています。外観は昔の良き風情を残しながら、内部の雰囲気は現代風という店舗は「そこ」にマッチしていて、人気があるのもわかります。その中で気になった建物をいくつか紹介します。
最初は根津の「はん亭」です。1917年(大正6年)建築の木造三階建てを改築工事、串揚げ屋として営業しています。1999年(平成11年)有形登録文化財に登録されました。ここの面白いところは道路拡張時にセットバックした箇所を切断し、ガラス張りにしてさらにそこに鉄の矢来を施し、断面が通りから見えるようにしているところです。


串揚げやはん亭

しかし裏の路地から見ると、三階建ての木造建築がしっかりと残っており、現代と昔が外観で共存している建築になっているのがおしゃれです。
根津では他にレトロな建物として古い石蔵を利用したうどん屋、「宮の湯」という銭湯をリノベしたカフェや「束子(たわし)屋」なども、昔の面影を残しながら中は綺麗に改築されていて、粋でおしゃれな作りです。ここも路地にあり、地元に溶け込んでいました。


谷中ビアホール

上野に向かう途中、上野桜木あたりの「谷中ビアホール」、パン屋や日本初の塩とオリーブオイルの専門店が、木造二階に店舗を開いておりました。外観は昔の家屋ですが、その良さがしっかりと残っていて、どの店舗も外国人観光客含め多くの人で賑わっていました。
地元の人が利用している昔からの路地や建物が今でも残り、タイムスリップした錯覚すら覚えながらも、生活の中身は今の時代になっている、そんな「ここでしか見られない場所」を堪能した1日でした。

(文と写真:太田 義博)
2024.11.07 16:53 | 固定リンク | フットパス