•  フットパス活動の記録

みどりのゆび管理地周辺をもっと知ろう 鎌倉街道小野路宿緑地 再発見ツアー
2024.12.15
[ 講師:伊藤 右学]

宿緑地のある小野路は、日本のフットパス発祥の地です!



12月15日(日) 天気:晴 参加者:24名

 私たちNPO法人みどりのゆびは、非営利事業として小野路で緑地、里山保全のための啓蒙実践活動を行っています。ここは、「鎌倉街道小野路宿緑地」という名称の市立公園で、2024年度4月から「町田ふるさとの森」から名称変更になりました。町田市と連携し、「公園緑地を気持ちよく利用できるように、清掃及び除草活動をする」「木が枯れている・折れている場合の連絡をする」などの活動を月1回程度行っています。
 参加メンバーは、毎回5,6名で固定化されつつあります。作業が地味なのか、なかなか人が集まらない状況が続いています。そこで、まずはこの緑地の存在を会員の方々にも改めて知ってもらうためにできることは何か考えました。
 このエリアは、市民に多摩丘陵の魅力や価値を知ってもらおうと、里山の景観や風情を歩いて楽しむコースづくりに取り組んだフットパス発祥の場所。その魅力を、「再発見ツアー」で改めて伝えようと決めました。
 コース選択、イベント内容の検討は、皆で行いました。ただ、このイベントを計画するにあたり決めた約束事は、メンバー同士でお互いの苦労をねぎらい、お楽しみ会を兼ねることでした。そうと決まれば、アイデアは次から次に出始め、「緑地・竹林を紹介しよう」「古民家を借りてお昼ご飯を食べよう」「緑地で焚き火してデザートを食べよう」など、すぐ決まりました。そして参加者募集も会員だけでなく、興味を持っていただいた一般の方々も対象とすることとし告知チラシを作りました。チラシは緑地掲示版に貼るとともに、「小野路宿里山交流館」にも配架させていただききました。結果、沢山の参加者をお迎えすることが、出来ました。


告知チラシの効果は?


管理緑地に集合する参加者たち

 当日は風もなく暖かい日差しに恵まれ、布田道を経由して管理緑地に集合しました。ここは管理倉庫が置かれる緑地管理の拠点です。湧き水が豊富で、春には蛙の産卵も見られます。
 緑地活動の内容を紹介するとともに本日の行程を説明し、まずは裏山に入りました。手入れされた雑木林が続き、竹林が見渡せる豊かな里山の雰囲気を楽しんでいただけたようです。


まずは裏山から周辺の探訪をスタート(写真:伊藤)

 みどりのゆびの竹林管理地で一休み。この竹林では、竹の混み具合に応じて一部を伐採することにより、残った竹の生長を促す作業をしています。
 大切に管理している竹林ですが、昨年2月5日の大雪により倒木被害を受けました。竹林の脇にあるシラカシの高木が2本倒れて広場全体を覆いつくし、活動が出来なくなりました。急きょ会員に呼び掛け、総出で片付けました。それでも手に負えない大きな幹は、町田市に再三お願いし、12月にやっと処理できました。自然を相手に活動していると、思いがけないことも起こる苦労でした。

竹林で。伐採された倒木を片付ける(写真:横山)

 緑地から10分ほどの「一本杉公園」は、多摩市の良く管理された公園で、古民家が移設されています。この旧加藤家は18世紀後半の建物で、古民家の特徴を活かし、活動の場として開放されています。囲炉裏を囲んでお湯を沸かしたり、昼食は、小野路宿里山交流館特製の里山弁当を手配して日当たりのいい縁側でいただくなど、古民家の暮らしの一端も体験出来ました。


古民家の縁側でのんびり日向ぼっこ

 昼食後は、一本杉公園の周辺を散策し、天然記念物のスダジイの大木、「川上哲治の記念樹」「江夏豊のたった一人の引退試合」のお話、一本杉公園の名の由来の碑を見て、スタートの管理緑地へ戻りました。
 緑地では、焚き火のもとで、お待ち兼ねのデザートタイムです。ほっかほっかの焼きいも、焼きリンゴと暖かいコーヒーなど、秋の陽射しの下でゆっくりと寛ぎました。
 初めての参加の方々も多く、管理緑地周辺を巡る里山の一日は、「今日はありがとうございました」「また来てくださいね」と別れを惜しみながらの解散となりました。企画したメンバーにも満足感溢れるフットパスになったことは言うまでもありません。


緑地で焼きいも。焚火の始末はしっかりと


アツアツの焼きいも、美味しいね。


本日のコースマップ

(文:伊藤 右学写真:田邊 博仁)

布田道と関谷の切通し ~火野正平さんが訪ねた~



 小野路宿は、相模国府と武蔵国府の道筋にあたり、鎌倉古道、大山街道の宿場町として栄え、幕末には六軒の旅籠がありました。
 小野路の「みどりのゆび管理緑地」に沿って、昔ながらの里山風景の面影をとどめて残る道は「布田道」と呼ばれ、小野路宿と布田五宿(調布)を結ぶ道です。
 幕末に、近藤勇、土方歳三、沖田総司らが、江戸牛込の試衛館から小野路へ、それぞれ36回、11回、12回と剣術の出稽古に通った道でもあります。
この布田道を進むと、重厚な雰囲気に包まれた「関屋の切通し」に出ます。この上の尾根道(鎌倉古道)を江戸時代に切り開いた道です。
 切り通しの横の雰囲気のある道標には「此道は布田道にて、幕末に近藤勇らが通いし道に御座候是より関屋を経て二町程にて小野路宿に着き申し候」と。


管理緑地の横の布田道

関屋の切通し

 ここは、NHKTV「こころ旅」の287日目,ちょうど11年前の2013年12月15日に火野正平さんが、この布田道から関屋の切通しを訪ね、道標の下に座って、町田の投稿者からのお手紙「私のこころの風景」(私の心に残したい思い出の場所町田市小野路別所から西へ「布田道」を歩いて至る「関屋の切り通し」の風景です。)を読み上げました。


道標を読む火野正平さん

関屋の切通しと火野正平さん

 ここ「関屋の切通し」をご案内する毎に、このエピソードを紹介してきました。
 火野正平さんは、1ヵ月前に亡くなられました。今日(12月15日)は、11年前の彼と同じように道標の前に座り、「お手紙」を読ませていただきました。(合掌)
(文と写真:田邊 博仁)

里山の自然管理は地道に

ボランティアが育む人と自然の融合



 都会近くに在りながら、緑あふれる自然にひかれて多くの人々が里山を訪れます。しかし、里山の自然は手つかずの原野原生林ではありません。人々が長年にわたり野山を開き、田圃や畑として耕し、生きる糧を得て来た場が里山です。
 里山を訪れる人は、何故かほっとした気持ちになります。そこには剥き出しの自然はなく、安心して付き合える自然があるからです。自然と人が適当なバランスを保ちながら、ある意味で共存融合している姿が里山なのです。
 目には見えませんが、訪れる人々や管理に携わる私たちの心の中に育まれる、穏やかで幸せな気持ちが、今の里山がもたらしてくれる実りです。
そんな心構えで、ボランティアとして里山管理に取り組んでいます。暑い時も、寒い時もあります。作業は決して楽ではありません。
 しかし、四季折々に移ろいゆく自然を楽しみながら、お互いに力を合わせて作業するなか、人と人の繋がりも生まれ、心強い気持ちにもなります。毎月1回僅か2時間の作業であり、ボランティアとして出来ることは限られています。そんな作業時間を最大限に活用し、やれることを効率良く、地道に続けていきたいと思います。
(文:合田 英興)

緑地管理、ご一緒に楽しみませんか?




 みどりのゆびの緑地活動に参加して10年経ちます。初めてフットパスで小野路を歩いた時、会員のSさんから「うちには竹林があってタケノコ掘りをするのよ」と聞いて、タケノコを掘ってみたいと思ったのが切っ掛けです。
 以来、仲間の皆さんと一緒に、微力ながら草刈りや竹林整備をしています。
夏場の草刈りが出来なかった後に出現した“オオブタクサの森”、”カナムグラの綿帽子”の光景は、今も忘れられません。
 すごかったのは昨年2月の雪害です。雪は、手入れを進めていた竹林で何本もの木を折ったり倒したりしてしまいました。この無惨な様子に「片付けは無理」と思ったけれど「幹はチェーンソーで、枝は鋸で切って崖下に落としてまとめる」ことになり、方針が決まってホッとしました。誰一人嫌な顔もせず作業をしていて、ついウルッとしてしまいました。
 楽しいのは、小鳥の囀り・野の花・水辺の生き物、そして何よりも一休みのお茶の時間。皆さんも一度この時間を私たちと共有しませんか。
(文:鈴木 由美子)

緑地管理としての道標の整備活動




 小野路宿の緑地は、鎌倉街道や布田道など地元の方だけでなく遠方の方も行き来をする、昔からの往来に面しています。そして、現在でも多くの方に楽しんでもらえる緑豊かな場所です。私たちはその美しい景観をこれからも楽しんでもらえるように、手作りの道標を設置しています。
 緑あふれる里山の風景の中を散策する手助けとなる道標ですが、設置してから随分と時間が経っています。そのため今では文字がかすれて読みにくくなってしまったり、そもそも道標自体の木材が劣化しているものもあります。それではせっかくの道標も、景観を汚すばかりか役に立ちません。道標は、「みどりのゆび」の独特の文字やシンボルマークなどで親しみある表情が好評です。まずは安全な道案内のためにも、と今ある手作りの良さを残しながら、整備を始めました。今年も少しづつ整備やリニューアルをしてまいります。
(文:太田 義博)

参加する魅力、活動する楽しさ

 事務局にメンバーが増えて、昨年から緑地管理
のグループリーダーが決まりました。今、例年とは違った活気があり、「この自然を守りたい…」
「この谷戸が好き…」の思いで活動しています。道具の扱いが慣れてきた頃のこと。鎌のひと振りで、ツルが絡んだ雑草がゴッソリ抜けてきたときの気持ち良さ!
 ある時は熊手で、高い木の枝に絡んだカナムグラを引き下ろそうとしました。が、古い熊手のほうが折れるのではないかと思うほどツルは頑丈で驚かされました。
 活動日は日曜日で、たくさんの人が布田道を行き交います。緑地にブルーシートを広げ、皆で一休みしていると、互いに挨拶し合ったり、道標や看板を読む姿が見られます。この交流がホッとできて嬉しいです。
 広い面積をたった2時間の活動です。しかし刈り払い機が加わると、草ボウボウが一気にスッキリ、サッパリ。そして青空を見上げたときのように清々しい気持ちになります。
 ある時は、竹林にキンランやタマノカンアオイを発見!!! 「絶滅危惧種」だとか「多摩の固有種らしい」などと、賑やかに植物談義が弾みます。
 活動する楽しさは、参加する魅力に繋がると思います。
(文:新納 清子)


ロウバイ香る1月末の緑地(2024年)


太い倒木は電動ノコギリで、枯草処理は人力で


倒木を活用した丸太の椅子で


ロウバイを背に、道標と掲示板(写真:伊藤)
(写真:横山禎子)
2024.12.15 21:48 | 固定リンク | 緑地管理