•  フットパス活動の記録

【緑地管理報告 8/4(日)】
2024.08.05
8/4(日)快晴 9:00~11:30 参加者7人

前回7月21日作業は看板修復が主体となり、オオブタクサ等が相当刈り残され、
次回9月の作業日前に開花結実する恐れもあるため、臨時作業日として本日を設定し、
里山コアメンバーで対応した。

①草刈り
刈払機3台を利用して草丈3mを超すオオブタクサ、絡みつくカナムグラ、
しつこいカントウネザサと格闘して、山道沿い等の雑草を刈り払った。

②看板設置
宿通りから入って切通し手前の三叉路には切通し案内看板が無く、
慣れない訪問者の便宜を図るため、既存看板脇に案内看板を立てた。
(記録:合田)

 


2024.08.05 22:24 | 固定リンク | 緑地管理
【緑地管理報告 7/21(日)】
2024.07.23
7/21(日)快晴 10:00~12:00 参加者8人


今回は緑地の整備として草刈り、風雨で散乱した木の枝の片付け、経年劣化した道標の作り替えをする。

緑地はオオブタクサやカナムグラで覆われて成長の早さを実感。
2メートル以上に伸びたオオブタクサの茎は太く固く鎌で倒そうとすると跳ね返された。
隣地から倒れ込んだらしい木や雨風で飛散した枯れ枝を集めて集積場へ運ぶ。
傷んだ道標を新しくし、「宿緑地」、「布田道」「関屋」の三枚を新しく作り直す。
完成した道標は、道行く人に緑地の存在を伝えてくれる役目を果たしてくれそうだ。
皆の力が結集した美しい道標が清々しい。 (記録:新納)

追:7/21の活動は道標作り等で草刈が十分に出来ませんでした。臨時に8/4(日)9時から
活動します。是非ご協力ください。(事務局:伊藤)


  
2024.07.23 08:12 | 固定リンク | 緑地管理
他のまちのフットパスをみてみよう 奥多摩駅の周辺を歩く
2024.07.06
[ 講師: 小林 道正]
ダム建設と石灰石運搬でできた 地域の残照の魅力
7月6日(土) 天気:晴のち曇 参加者:13名

 JR奥多摩駅は標高343mの東京都で最も高いところにある駅で、山小屋風の駅舎が人気です。土日は多くの登山者で賑わっています。


山小屋風の奥多摩駅舎

 「奥多摩駅」は昭和19年にセメントの原料となる石灰石を運搬する鉄道に「氷川駅」という名称で開業しました。戦後になって東京都民の飲料水を確保する「小河内ダム」を建設するために、資材運搬の拠点として大きな役割を果たしました。
<コース紹介>①JR奥多摩駅⇒②奥多摩ビジターセンター⇒③奥多摩工業曳鉄線⇒④奥氷川神社・多摩川の河原(昼食)⇒⑤東京都水道局小河内線(廃線跡)⇒⑥奥多摩むかし道⇒①JR奥多摩駅


コースMAP

 奥多摩は『東京の屋根』とよばれるほどの山地で、雲取山(2017m)を頂点にして急峻な山と深い谷が集まっています。地質は古生代と中生代の泥岩や砂岩、チャートなどの他に石灰岩が多く分布しています。
 歴史的には『甲州裏街道』とよばれる武蔵国と甲斐国を結ぶ旧青梅街道が通り、交易路として人々が往来していました。
<①JR奥多摩駅から②奥多摩ビジターセンターへ>
「奥多摩ビジターセンター」は自然や文化について分かりやすく展示し解説してくれる施設です。最近は熊の目撃情報や被害が多発しているために、ツキノワグマの生態や習性について剥製や骨格標本を使って解説しています。
<③奥多摩工業の曳鉄線(ひきがねせん)>
 「奥多摩工業」は石灰石を採石して運搬している会社です。石灰石はセメントの原料となる貴重な鉱物資源で、多くの建物や道路などを造り発展してきました。近年の石灰石は新しい素材として注目され、紙の原料、食品添加物、化粧品などに利用されているそうです。
 「曳鉄線」は「えいてつせん」とか「ひきがねせん」と読まれています。トロッコをロープで繋ぎ線路の上をエンドレスで回している仕組みの鉄道で、スキー場のリフトのイメージです。昭和28年から現在も現役で稼働中です。
 杉林の中に鉄橋とトンネルが見えてきました。残念ながら動いていませんでしたが、複線の線路の上にロープに繋がれたトロッコが4台停車していました。左側の線路に乗った2台には石灰石が乗せられ、右側は空でした。


石灰石を運ぶ無人トロッコ

 石灰石の採石場は5km先にあり、トンネルと鉄橋で結んで線路を敷き、無人のトロッコを使って石灰石を運搬しています。70年前は空中を通るリフト方式でしたが、需要が増えて運搬量を増やすためにトンネルを掘って地中を通すようにしたそうです。運搬量の増加だけでなく、費用と安全性も格段に向上したそうです。
 トロッコ1台の積載量は3t。径32mmのロープで276台のトロッコを36m間隔で繋いでいます。動くスピードは秒速2mとのことでした。
<④奥氷川神社>
 さいたま市の「氷川神社」、所沢市の「中氷川神社」とともに『武蔵三氷川』として有名です。
『御神体』の『三本杉』があります。お昼のお弁当は多摩川と日原川が合流する河原で美味しくいただきました。
<⑤⑥東京都水道局小河内線の軌道跡>
 「小河内ダム」を建設するために昭和27~32年に使われていた資材輸送用の貨物線跡です。ダム完成後は西武鉄道が観光列車を走らせる計画だったそうです。しかし、採算性や安全性が確保できなかったのか実現することはありませんでした。
 線路跡に沿って『奥多摩むかし道』があり、歩くことができます。旧青梅街道です。
 JR奥多摩駅に戻ってビールで乾杯しました。


貨物線跡のトンネルの上で手を振るみなさま


奥多摩駅でビールで乾杯!

(文と写真:小林 道正)

石灰石を運ぶトロッコと、トンネルや 線路跡が深い杉林に包まれて

 奥多摩駅は『関東の駅百選』の一つで、昭和19年に開業した海抜343mに位置する木造建築。趣のある駅舎です。駅舎のあちこちにツバメの巣があり、ツバメたちも大勢の登山客や観光客を迎えてくれていました。
 先ずは「奥多摩ビジターセンター」で奥多摩の成立ち、自然や熊の生態などを受講。奥多摩の初歩的な知識を享受することができました。
奥多摩駅周辺は急峻な山々で、その中腹まで宅地化されており、アクセスの道路も急勾配です。降雪もあることから、コンクリート舗装には溝が刻まれており、冬期の運転は厳しいものと感じられました。
 最初の目的地は「石灰石を採掘精製している奥多摩工業㈱」で、氷川鉱山で採掘した石灰石を運搬する森の中を5km走るトロッコ線路(かつては276台を32mmのワイヤーで連結)と鉄橋、トンネルを観ることができました。
 午後からの「奥多摩むかし道」は旧青梅街道で全長は奥多摩駅から奥多摩湖までの10kmですが、今回は槐木(サイカチの木)までのアップダウンの約2kmのコース。並行して小河内ダム建設で資材を輸送した貨物線のレールやトンネル・鉄橋跡を間近で観られ、トンネル内を歩くこともできました。最終地「槐木」のサイカチノの木は樹高15m、幹回り3mの大きなサヤがぶら下がることでも知られる古木で、土地の名称にもなっています。
 多摩川の源流と急峻な山を背景に、産業遺産や土木遺産に触れながらの楽しい奥多摩駅周辺のフットパスでした。
 奥多摩駅2階のカフェ「ポートおくたま」ではクラフトビールが飲めます。最後に「参加された13名の皆さんお疲れさんでした」で乾杯!
 ほどよい疲れを感じながらそれぞれ帰路に着きました。
(文:浅野 敏明)


貨物線跡のトンネルから出てきたみなさま(写真:田邊)
2024.07.06 20:02 | 固定リンク | フットパス
三浦半島 観音崎の植物観察
2024.06.29
みどりのゆびのフットパス報告です。

「三浦半島 観音崎の植物観察」、講師:日本植物友の会副会長 山田隆彦先生(6/22、晴れ、参加者12名)。

観音崎公園は江戸の末期から船見番所、台場が置かれ、明治には東京湾防備の砲台が置かれた要塞となり、立ち入り禁止区域となり自然が良く残されています。昭和31年頃から公園計画が始まり、昭和50年に県立観音崎公園として開園しました。県下最大で70.4ha、東京ドーム15個分です。豊かな自然と戦争の遺跡が残された公園です。ご覧ください。 (田邊博仁)












フットパス専門家講座 三浦半島観音崎に海岸植物を訪ねて
2024.06.22
フットパス専門家講座 三浦半島観音崎に海岸植物を訪ねて
[ 講師:日本植物友の会会長 山田 隆彦 ]

戦前の陸軍要塞史跡に濃い植物群
6月22日(土) 天気:晴 参加者:12名

 三浦半島の観音崎に、海岸植物を訪ねた。この地は、明治時代に陸軍が要塞としていたところで、戦後、公園として整備され、一般に開放された。自然が長く保たれていたこともあり、植物が豊富である。6月23日の予定が、雨予報であったので、前日の22日に繰り上げての観察会となった。事務局の適切な判断で、青空の下、海岸植物を中心にたくさんの植物を訪ねることができた。
 海岸は、強風、強い日差し、水不足、塩の飛散、強い紫外線など厳しい環境にある。その厳しい海岸に生育する植物を海岸植物と呼ぶ。他の植物との生存競争を避けることを選んだ植物達だ。今回観察した海岸植物のいくつかを紹介する。

タイトゴメベンケイソウ科

 草丈は、5~12cmで黄色の小さな花を密生して咲かせる植物で、円柱形の葉は光沢があって分厚い。これは、水分を貯め乾燥に耐えるためで、また光沢があることで、強い太陽の光を反射する働きがある。名前は、高知県の方言で、「大唐米」とよばれた下等な米粒に葉の形が似ていることからついたという。本州(関東以西)、四国、九州の海岸の岩上に分布する。


タイトゴメ

ハマダイコンアブラナ科

 花は、ほとんど終わっていたが、ところどころに淡紫色の花が残っていた。ダイコンが野生化したものといわれ、栽培されているダイコンとは、根が肥大しないだけで、他に区別点はない。果実は数珠状にくびれているが、熟しても裂けずに、くびれた所から切れ、海水に運ばれて散布する。

実際に果実が海面に浮くか試して見た(下の写真
参照)。

 『新牧野日本植物圖鑑』には、ダイコンが野生化したものなので、肥料をやって栽培すると、ふたたび普通のダイコンになると書かれている。余談だが、長さが世界一(1.7m)といわれる大阪府守口市原産の守口大根は、ハマダイコンから淘汰されてできた品種である。


ハマダイコン


ハマダイコンの果実。海水に浮く


ハマダイコンの果実。熟すとバラバラになる

イワダレソウクマツヅラ科

 イワダレソウは漢字で「岩垂草」と書き、よく岩から茎が垂れ下がって生えているので、この名がある。円柱状の穂状で直径2mmほどの小さな花をうろこ状の苞の間につける。地面を這い、草丈を低くして、丈夫な根を張り、風に飛ばされないようにしている。この果実もコルク質になっていて、海水に浮き、遠くに運ばれ分布を広げている。葉は暑くタイトゴメと同じように紫外線からの保護や水分貯蔵の役目をしている。


イワダレソウ

ヤマユリユリ科

 海岸植物ではないが、森の中で、濃厚な香りと共にあちらこちらで見られた。日本特産種であり、東北地方~近畿地方ではふつうに見られるが、北海道・北陸・中国地方・四国・九州には自生はなく、あれば栽培品が野生化したもので、自然分布の狭い植物である。花には黄色のよく目立つ筋があるが、この筋は蜜の在り処を示し、蜜標となっていて、昆虫を誘導する道筋である。


ヤマユリ。黄色い筋に注目

 涼しい海風を背に受け、ムラサキニガナやムクロジ、ネジバナ、マサキ、アサザなどの花を見ながら一日の観察を終えた。

(文と写真:山田 隆彦)

観音崎植物ウォーク

 今回のコースは京急線「浦賀」の近く、三浦半島から東京湾に突き出す観音崎です。海岸に出ると房総半島が見え、海上をコンテナ船などが行き交っていました。ここは元軍港・横須賀の入り口にあたり、永年一般人の立ち入りができなかったため、昔ながらの海浜の樹林が残されています。夏至直後の光線が強烈でしたが林の中の遊歩道なので気にならず、海風が吹いて快適でした。
 最初に目に入ったのは深い緑の樹林とガクアジサイの花です。歩く途中どこでも咲いていました。海沿いの道を歩くとマサキ、トベラ、カミヤツデなど潮風(しおかぜ)に強い木々が次々と現れます。普通の植物は塩害で枯れてしまうため独特の植物相が形成されています。
 道は林の中に続きます。少し高低差はありますが、木が鬱蒼としており探検気分です。途中、地名の基となった海食洞の観音様や「観音埼灯台」(有料なので入っていません)を通り、旧陸軍が作った砲台の跡やトンネルなどもありました。植物はフウトウカズラやヤナギイチゴなど。戦没船員の碑前の公園で昼食。近くで見つけたネジバナやムクロジの花について先生のお話で盛り上がりました。
 海から離れた道沿いでヤマユリに出合いました。林縁でひときわ目立つものです。その後整備された公園のゾーンに入り、カラフルなアガパンサス(紫)、池の中の黄色いアサザの花やオレンジ色のヌマツルギクが印象に残りました。歩きながら会話がはずんだ楽しい一日でした。


マサキ


ムクロジ


ガクアジサイとヤマユリ


ヌマツルギク

(文と写真:森 正隆)
2024.06.22 19:39 | 固定リンク | フットパス